中 1 で 学 ん だ 関 孝 和 ─ 連 立 方 程 式 の 視 点 で 再 び
中 学 1 年 で、 君 は 関 孝 和 (せ き た か か ず) を 学 ん だ。 本 サ イ ト chugakusugaku1/seki-takakazu-tenzan で、 天 元 術 (一 次 方 程 式 の 解 法) を 通 し て。
中 学 2 年 の 今、 君 は「連 立 方 程 式」 を 学 ぶ。 関 孝 和 は、 一 次 方 程 式 だ け で な く、 連 立 多 元 方 程 式 も 解 い て い た ─ そ の 業 績 を、 連 立 方 程 式 単 元 で 再 読 し よ う。
『発 微 算 法』 ─ 延 宝 2 年 (1674) の 出 版
延 宝 2 年 (1674)、 関 孝 和 34 歳。 江 戸 で 一 冊 の 和 算 書 を 出 版 す る。 題 名 は『発 微 算 法』 (は つ び さ ん ぽ う) ─ 「微 (細 か な 計 算) を 発 す」 と い う 意 味 だ。
こ の 本 で、 関 孝 和 は 一 つ の 課 題 に 答 え た ─ 当 時 流 行 し て い た「遺 題 継 承」 (前 著 が 残 し た 未 解 決 問 題) の 全 て を 解 い て み せ た の だ。 そ の 多 く が、 連 立 多 元 方 程 式 の 問 題 で あ っ た。
連 立 方 程 式 の 古 い 歴 史 ─ 中 国『九 章 算 術』 か ら
連 立 方 程 式 の 解 法 は、 関 孝 和 が 発 明 し た わ け で は な い。 古 代 中 国 の『九 章 算 術』 (き ゅ う し ょ う さ ん じ ゅ つ ・ 約 紀 元 1 世 紀) 第 八 章「方 程」 に、 す で に 連 立 方 程 式 の 体 系 的 解 法 が 記 さ れ て い る。
例: 「禾 (麦) 上 等 三 束 ・ 中 等 二 束 ・ 下 等 一 束、 合 計 39 斗。 上 等 二 ・ 中 等 三 ・ 下 等 一、 合 計 34 斗。 上 等 一 ・ 中 等 二 ・ 下 等 三、 合 計 26 斗。 各 等 の 一 束 は 何 斗 か?」 ─ こ れ は 三 元 一 次 連 立 方 程 式 で あ る。
関 孝 和 の 革 新 ─ 多 元 連 立 方 程 式 を 体 系 化
中 国 の 解 法 は 三 元 ま で だ っ た。 関 孝 和 は こ れ を 拡 張 ─ 5 元 ・ 6 元 の 連 立 方 程 式 ま で 解 け る 一 般 的 方 法 (傍 書 法) を 確 立 し た。
「傍 書 法」 で は、 算 木 (算 数 用 の 棒) を 並 べ た 横 に、 文 字 と 漢 字 で 係 数 を 記 述 す る。 西 洋 の デ カ ル ト 座 標 (1637) や ニ ュ ー ト ン (1665 ~) と 同 時 期 に、 関 孝 和 は 独 自 に 代 数 記 号 を 発 達 さ せ た の だ。
連 立 方 程 式 の 解 き 方 ─ 中 2 で 学 ぶ 方 法
中 2 で 学 ぶ 二 元 一 次 連 立 方 程 式 の 解 き 方 ─
例 題 ─ x + y = 10, 2x + 3y = 23 を 解 け。
加 減 法 ─ 第 一 式 を 2 倍 し て 第 二 式 か ら 引 く。
- 2x + 2y = 20 (第 一 式 × 2)
- 2x + 3y = 23 (第 二 式)
- 引 く: y = 3
- 第 一 式 に 代 入: x + 3 = 10、 x = 7
こ の 方 法 が、 関 孝 和 の 傍 書 法 と 本 質 的 に 同 じ で あ る。
鶴 亀 算 を 連 立 方 程 式 で 解 く
小 5 で 学 ん だ 鶴 亀 算 (sansu5/tsuru-kameza n) を、 連 立 方 程 式 で 解 い て み よ う。
問 題 ─ 鶴 と 亀 が 合 わ せ て 10 匹。 足 の 数 は 28 本。 鶴 は 何 匹 か?
連 立 方 程 式 の 立 て 方 ─
- x = 鶴 の 数、 y = 亀 の 数
- x + y = 10 (匹 数)
- 2x + 4y = 28 (足 の 数: 鶴 は 2 本、 亀 は 4 本)
解 く ─
- 第 一 式 を 2 倍: 2x + 2y = 20
- 第 二 式 か ら 引 く: 2y = 8、 y = 4
- x = 10 − 4 = 6
鶴 6 匹、 亀 4 匹。 小 5 の 鶴 亀 算 が、 中 2 の 連 立 方 程 式 で 機 械 的 に 解 け る ─ 数 学 の 発 達 が 「考 え 方 を 一 般 化 ・ 機 械 化」 し て き た こ と が 分 か る。
結 び ─ 数 学 史 と 教 科 書
教 科 書 で 学 ぶ「連 立 方 程 式」 は、 2000 年 の 歴 史 を 持 つ 知 恵 で あ る。 古 代 中 国 の 知 恵 を、 江 戸 期 の 関 孝 和 が 拡 張 し、 西 洋 の ガ ウ ス が 完 成 さ せ た。 そ し て 現 代 の AI も コ ン ピ ュ ー タ も、 こ の 解 法 を 使 っ て 動 い て い る。
教 科 書 の 問 題 を 解 く 時、 「自 分 は 関 孝 和 と 同 じ 知 恵 を 使 っ て い る」 と 思 う と、 数 学 が 急 に 面 白 く な っ て く る だ ろ う。